1995年の阪神・淡路大震災を受けて、マンションの再建を促進するため、「被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法」(被災マンション法)が制定された。通常は、区分所有者全員の賛成が必要となる建物の解体について、区分所有者及び議決権の5分の4以上の多数決により可能とした。ただし、全壊の場合には、区分所有権そのものが消滅するため区分所有法の適用がなく、再建のためには全員の同意が必要という制約があった。全壊マンションが長期間放置されると、住民の生活再建の妨げになるだけではなく、周囲に危険を及ぼし、防犯上の問題も懸念される。このため、東日本大震災後にはその改正が検討され、2013年6月に改正法が成立した。これにより、全壊の場合でも5分の4以上の賛成で取り壊し(取り壊し決議制度)や売却(建物敷地売却決議制度)を可能とする決議制度が創設された。