大規模な地震の発生に備え、建築物の安全性を高めるため、2013年5月「建築物の耐震改修の促進に関する法律の一部を改正する法律」が成立、同年11月から施行された。改正の柱となるのは、病院、店舗、旅館などの不特定多数の人が利用する建築物や、学校、老人ホームなどの避難弱者が利用する建築物のうち大規模なものについて、15年末までに耐震診断を義務化、診断結果を公表することとした点。行政は、診断結果に基づいて耐震改修を指示、従わない場合にはその旨を公表することになっている。店舗、旅館などの民間事業者のなかには経営が厳しく、耐震診断・改修に二の足を踏むところが多いため、税制面や補助金制度などで優遇すると同時に、社名の公表などの厳しい措置も適用する、いわばあめとむちによって耐震化を促進する考え方。なお、マンションを含む住宅や小規模建築物についても、耐震診断およびその結果に応じた耐震改修を努力義務としている。