住宅の劣化状況、欠陥の有無、改修が必要な箇所などの調査を行い、改修工事が必要な時期、それにかかる費用などを見極めてアドバイスを行うこと。住宅診断、建物診断などと訳される。単にインスペクションと呼ぶこともある。特に中古住宅の売買にあたってはこのインスペクションが重要で、中古住宅市場が充実しているアメリカでは、売買される物件の7~9割においてこのインスペクションが実施されているといわれる。日本でも2010年頃から急速に広がりをみせているが、まだ1、2割程度にとどまっている。その普及を進めるため、NPO法人・日本ホームインスペクターズ協会は、09年から「ホームインスペクター(住宅診断士)資格試験」を実施している。住宅診断のプロとして、建築・不動産取引・住宅診断方法などに関する一定以上の知識、経験、高い倫理観を持つ専門家であることを明確にするための資格とされている。建築士などと違って国家資格ではない民間資格だが、合格すれば認定会員として資格証が交付され、有資格者として活動できる。ただし、資格なしで「ホームインスペクター」と名乗っても違法ではないので、インスペクションを依頼するときには、資格の有無をチェックしておく必要がある。