現金を用いずに電子的に商品の代価などを支払うためのシステム。電子マネーに代表される電子的決済システム以外にも、広義にはオンラインバンキングやネットショッピングなども含まれる。最近では少額決済が手軽にできる電子マネーが急速に普及している。電子マネーは、事前に入金した情報を電子的にカード等に記録し、それで支払いを行うシステムである。代表的なものには、ビットワレットのEdy(エディ)やIC乗車券に電子マネー機能を付与したJR東日本のSuica(スイカ)、JR西日本のICOCA(イコカ)などがある。近年、JR東海のTOICA(トイカ)や、首都圏の私鉄・バス共通のPASMO(パスモ)などの電子マネーを兼ねたICカード乗車券が相次いで導入された他、セブン&アイ・ホールディングスのnanaco(ナナコ)、イオンのWAON(ワオン)といった自社のコンビニエンスストアやスーパーでの利用を想定した流通系の電子マネーもスタートしている。また、電子マネーの普及と並行して、携帯電話に電子マネー機能を付与した「おサイフケータイ」も2004年のNTTドコモの導入を皮切りに普及しつつある。これらの電子マネーは事前に入金してから決済するプリペイド(前払い)方式だが、「携帯クレジット」とも呼ばれるポストペイ(後払い)方式の電子決済も始まっている。クレジットカード会社のJCBが運営するクイックペイ、同じく三菱UFJニコスのスマートプラス、三井住友カードがNTTドコモと提携して運営するiD(アイディ)などの他、関西圏の私鉄共通ICカード乗車券であるPiTaPaでもポストペイ方式を採用しており、「おサイフケータイ」やICカードによって少額であっても後払いで簡便な支払いが可能になっている。現在、このような多数のシステムがコンビニ等での導入を争っており、携帯電話会社によるクレジットカード業務参入や銀行設立などの新しい動きも含め、激しい競争が展開されている。