老後の生活に必要な費用のこと。食費や住居費、通信費などの生活に必要な基本的費用。健康意識の高まりや医療技術の発達により平均余命は延びる一方、老後生活の柱となる年金などの社会保障給付は先細りが予想される中、健康でゆとりを持ち安心した老後生活を送るためにはどのくらい費用がかかるのか、老後世代だけでなく若い世代も関心を持っている。総務省の2010年度「家計調査」によると、世帯主が60歳以上の無職世帯の標準的な生活費は、月額約21万円である。厚生労働省発表の「2010年簡易生命表」による60歳男性の平均余命は22.8年、女性は28.4年である。この数値から、夫死亡後の妻1人の老後生活費を月額21万円の7割程度と仮定すると、夫婦二人が60歳時点で平均余命まで生活するのに必要な費用は約6700万円と計算できる。この金額は標準的な生活費として計算した金額であり、ゆとりを求めたり節約を心がけたりすることにより、この金額に幅が出てくることが予想される。