遺言により、遺産の全部または一部を無償で他人に贈与すること。相続人や相続人以外の者が受遺者(遺贈を受ける人)になることができ、個人・法人を問わず受遺者になれる。遺贈は、遺言者(遺贈を行う人)の一方的な単独行為で、受遺者の承諾は必要としない。一方、贈与は、受贈者(贈与を受ける人)と事前に契約を交わさなければ成立しないため、生前に贈られる側の承諾が必要か否かという点で遺贈と贈与は異なる。相続人の遺留分を侵害する遺贈はできない。遺贈の効力は、遺言者の遺言により生じるが、遺言者より先に受遺者が亡くなった場合は、遺贈の効力は生じない。遺贈には2種類あり、「相続財産のうち50%をAに与える」というように、遺産のうち一定割合で示された分量を与える包括遺贈と、「相続財産のうち現金1000万円をAに与える」というように、遺産のうち指定された特定の財産を与える特定遺贈がある。