家計の消費支出に占める食料費の割合を百分率で表した係数。生活程度を示す指標で、(食料費÷消費支出)×100の計算式で算出できる。単位は%。ドイツの社会統計学者エルンスト・エンゲルが1857年に発表した。一般にエンゲル係数が低いほど生活水準が高いとされる。総務省統計局の家計調査によると、二人以上の世帯のエンゲル係数(年平均)は、終戦直後の1946年は66.4%だったが、その後低下し続け53年には48.5%と50%を下回り、77年には30.7%となった。2005年の22.9%を底に上昇傾向にあり、16年は25.8%と1987年以来の高水準になった。上昇傾向の背景には、円安や世界的な天候不順による食料単価の上昇、共働き世帯の増加などが挙げられる。なお、この係数を単身世帯と二人以上の世帯で比較する場合や、地域別や諸外国と比較する場合は、食料の消費量や物価などが異なることを考慮して用いる必要がある。