2007年10月、大手建材メーカー「ニチアス」(東京都港区)は、国の耐火材の性能試験を受ける際、試験材に水を含ませるなどの偽装をして認定を受け、01年以降、約4万棟分を出荷していた。耐火材は、建築基準法で隣家からの延焼を防ぐために設置が義務づけられており、基準通りの性能を満たしていないと人命にかかわる重大な事態を招く恐れがある。1週間後、同じく大手建材メーカー「東洋ゴム工業」(東京都港区)も15年前から建築用断熱パネルの性能試験で、実際の製品には使用しない燃えにくい部材を混入して認定を受けていたことが判明。08年1月、国土交通省は、建材メーカー1788社を対象に認定取得に問題はなかったかを調査した結果を公表した。建材メーカー「ウッドワン」の内装壁用建材に難燃剤が十分含まれず、耐火性能が劣っていたことなど、新たに40社77件が認定を取得した性能と異なる製品を販売していたことが判明した。