2006年10月、ソニーはノートパソコンに搭載されているリチウム電池(2種類)が発火の恐れがあるとして960万個の回収を行うと発表。回収対象は、03年8月から06年2月までに製造されたもの。回収に要する費用は510億円。発火の原因は、製造過程で金属粉が絶縁層に混入し、ショートするもの。金属粉が混入するのは、組み立て工程の加工作業の段階。ソニー製リチウム電池については、アメリカのデル社が、05年12月に過熱・発火するとして3万5000台をリコール(その後、420万台を追加リコール)、06年8月、アップル社が180万台をリコール、9月レノボ社が52万6000台をリコールしている。業界団体の電子情報技術産業協会と電池工業会は、発火事故の原因は、電池の不具合と高速充電にあるとして、高速充電方式を禁止する指針を06年4月に決めた。07年12月、経済産業省はリチウムイオン電池の安全基準を新たに設け、メーカーに順守を義務づけた。安全基準には「セ氏130度の異常な高温下や、自動車1台分の圧力を加えても電池の発火や破裂が起きない」「電池内部に異物が混入しても発火しない」などの項目が盛り込まれた。