2007年4月、厚生労働省は患者が医療事故で死亡した場合に、その原因究明と再発防止を行う第三者機関の医療版事故調査委員会「医療安全調査委員会(仮称)」創設の検討が続いている。調査委員会は、医師や法律家らで構成し、解剖やカルテ調査、関係者からの聞き取りを行う。結果は医療機関と遺族に報告し、概要は一般に公表することが考えられている。創設のきっかけとなったのは、1999年に東京都立広尾病院で起きた薬剤取り違えによる患者死亡事故。病院長が異状死の届け出を定めた医師法違反に問われ、最高裁で有罪が確定した。また、2006年3月、福島県立大野病院で帝王切開手術で患者を死亡させたとして執刀した産婦人科医が業務上過失致死罪と医師法違反で起訴された。