かつて妊婦が睡眠薬として服用し、胎児の四肢などに深刻な薬害禍を引き起こしたサリドマイド薬が、2008年10月、46年ぶりに血液がんの一種である多発性骨髄腫の治療薬として承認された。1961年、西ドイツ(当時)のレンツ博士がサリドマイド薬の薬害禍を警告し、すぐに西ドイツでは販売中止された。大日本製薬は、西ドイツで販売中止された後も9カ月間販売を続け、翌62年に販売中止した。大日本製薬が販売したサリドマイド薬で被害を受けた認定患者は309人。90年代後半、サリドマイド薬が多発性骨髄腫への有効性が海外で認められ、現在、日本で800~1000人が輸入して年間100万円を自己負担しているといわれている。再度薬害禍を起こさないために、服用に際しては、使用する医師、薬剤師、患者を登録制にし、厳重な管理が義務付けられる。