2008年9月、「三笠フーズ」が、基準値を超えたメタミドホスなどの残留農薬を含んだり、カビが生えたため工業用として政府が販売した事故米を、焼酎メーカーや和菓子メーカーや米菓メーカー、酒造メーカーなどに食用として転売していたとして、福岡県は同社に対して食品衛生法に基づく回収命令を出した。三笠フーズは、03年以降、毎年仕入れており、転売したと見られる約298t分の利ざや1500万円前後を荒稼ぎしていた疑いがある。なお、同社は、これとは別の商社ルートで事故米743tを仕入れ、食用として焼酎メーカーに転売していた。これらの事故米からは基準値の3倍を超える殺虫剤「アセタミプリド」が検出されている。事故米の食用への不正転売は、接着剤メーカー「浅井」や肥料メーカー「太田産業」、でんぷんメーカー「島田化学工業」でも行われていた。事故米は19都府県に流通し、17社(酒造・焼酎メーカー9社、菓子メーカー5社、医薬品メーカー2社、食品メーカー1社)に転売され、各社は自主回収を行い、酒100万本分以上が回収された。被害総額は、31億円を超えている。08年11月、農林水産省は、事故米不正転売事件に関して、総合食料局長ら幹部25人を国家公務員法違反で処分した。