2008年9月、中国大手乳製品メーカー「三鹿集団」が製造した粉ミルクに、結石などの病気を引き起こす化学物質メラミンが混入し、粉ミルクを飲んだ乳児1人が腎臓結石で死亡したほか、5万4000人の乳児が腎臓結石にかかり医療機関で治療を受けた。うち、1万2892人が入院し、重症患者は104人。中国政府によると、メラミンは「三鹿集団」のほかに21社の粉ミルクからも検出されたとのこと。中国国内の粉ミルクの5割以上から有害物質メラミンが検出される事態になり、各社は汚染ミルクの回収を始め、スーパーの店頭からほとんどの中国産粉ミルクが消えた。また、中国政府は国内大手牛乳メーカー「蒙牛」「伊利」「光明」が製造した牛乳からもメラミンが検出され、自主回収を要請したと発表した。混入の原因は、酪農家が絞った牛乳を水で増量し、そのために不足したたんぱく質の比率を高めるため故意に有害物質メラミンを混入したことによるといわれている。日本の丸大食品は、中国製牛乳を使用した「抹茶あずきミルクまん」など5製品からメラミンを検出したとして回収を開始した。同年10月、中国政府は、メラミンの管理制限値(許容含有量)を設定し、超えた場合は販売禁止とした。ファミリーレストラン「サイゼリヤ」は、中国から輸入したピザ生地6品目からメラミンが検出されたとしてピザの販売を中止。同年12月、中国衛生省は、メラミン汚染ミルクによる患者は29万4000人、うち、5万1900人が入院し、6人の死亡に関連性が疑われているとした。