富山県神通川流域で発生したイタイイタイ病が国の公害病と認定されて2008年5月で40年を経過した。病名は、高齢の女性が身体を動かす度にポキッ、ポキッと骨が折れ、あまりの痛さに思わず「痛い! 痛い!」と悲鳴を上げることから名付けられた。上流の三井金属鉱業神岡鉱業所からたれ流しされた排水の中に含まれていたカドミウムが原因。裁判では、三井金属鉱業は、カドミウムとイタイイタイ病との因果関係を認めず、カドミウムが人体にどのような影響を与えイタイイタイ病が発症するのか、そのメカニズムの解明が必要と主張し続けた。イタイイタイ病を申請した人は247人、うち、認定されたのは194人。現在6人が存命。イタイイタイ病と認定されるためには、患者にとって負担の大きい検査が必要であり、認定率は最近38%にとどまっている。40年を経過して、潜在患者の救済が急務となっている。