官民関係機関が協力して対策に取り組むものの、新手口の登場で一向に終息の気配を見せない「振り込め(オレオレ)詐欺」。2008年秋ごろから、給料日や年金支払い日などに、ATM前に警察官や銀行職員を配置し、被害が疑われる振り込みには送金前に声掛けを行うなど、ローラー作戦を展開した。被害手口の多くが、携帯電話でATM操作方法を伝えるものであることから、ATM周辺での携帯電話の使用自粛が呼びかけられ、一部の金融機関で携帯電話の通話や通信を制限するシステムの導入を図るなどの対策も見られた。郵便事業会社の小型郵便(エクスパック)やバイク便を利用して金を受け取るなど、ATMを経由しない方法にシフトする動きもあり、今後も多様化・巧妙化する手口に警戒が必要である。