2008年下半期ごろから、消費生活センターに「インターネットを利用した手軽なサイドビジネス」「楽して儲けるアフィリエイトビジネス」といった触れ込みに関する相談が目立っていた。特に、サイト上に広告バナーを張りつけるアフィリエイトや商品販売サイトを構築し、売り上げから収入を得るドロップシッピングに関するものが多く見られた。
ドロップシッピングとは、その多くはウェブサイト上に業者から仕入れた商品情報を掲載、購入申し込みがあった場合、メーカーや卸業者から申込者へ商品を直送し、この際に売り上げから一定料率のマージンを収入として得るビジネスモデルである。
自身でサイトを構築して収益が上がるほどの利用者を呼び込むことは、一般的に至難であることから、ドロップシッピングを勧誘している仲介業者に依頼し、その下でウェブサイトを開設することが多く、サイト製作や維持費用の名目で高額契約を結ぶことからトラブルが発生している。相談者の多くが20~40代、ネットに慣れ親しんだ世代からの相談が全体の8割以上を占め、08年から09年にかけて3倍以上の件数が寄せられている。
セールストークで「利益が必ず出る」「月○○万円確実」など利益保証するかのようにうたったり、広告・販売できるような商品がそろっていないなど、契約内容に問題のあるケースが見られる。また、メールマガジンや検索サイト対策(SEO)など、仲介業者が契約履行しているのかを確認できない点も不透明さを際立たせている。
消費者がドロップシッピングサイトに運営者として連絡先を表示した場合、特定商取引法に定める通信販売として、広告表示規制を受ける可能性があるほか、商品欠陥時においては、購入者に対し責任を追わなければならないなど、重要事項を知らされていないケースも散見される。