2010年6月18日、「貸金業法」が完全施行されて、(1)借り入れ総額に規制が設けられ、(2)上限金利が引き下げられ、(3)契約前、貸金業者は契約内容を説明した書面を交付する義務が課せられた。多重債務問題を解決するために06年法改正が行われて以降、順次施行されてきた改正「貸金業法」が最終段階に達した。(1)の総量規制では、(A)借り入れ総額は、年収の3分の1まで、(B)専業主婦は、配偶者の同意書、住民票などの証明書類が必要に、(C)貸金業者は、顧客の信用情報を「指定信用情報機関」に登録することが義務付けられ、(D)1社からの借入残高が50万円を超える場合や複数業者からの借入残高の総額が100万円を超える場合は、源泉徴収票、給与支払証明書などの資力を証明する書類が必要になった。(2)の上限金利は、「出資法」の上限金利29.2%から「利息制限法」の20%に引き下げられた。改正「貸金業法」が適正に運用され実効が上がる半面、新たなヤミ金融関連のトラブルが急増している。クレジットカードのショッピング枠を利用したもので、いくつかの方法があるが、例えば、消費者がクレジットカードで業者の指定した商品を購入すると、一定の金額を差し引いた金額が送金されてきて、後日粗末な商品が届く。月々の支払いは、消費者が行うことになり、差し引かれた金額が金利相当分になり、「利息制限法」の20%よりも高いものとなる。こうした現金化商法による多重債務問題の再燃が懸念され、早急な対策が必要となっている。