2010年5月1日に開催された水俣病犠牲者慰霊式に、歴代首相として初めて鳩山首相(当時)が参列、被害者に陳謝した。鳩山首相は、「祈りの言葉」として、「政府を代表して、かつて公害防止の責任を十分に果たすことができず、水俣病の被害の拡大を防止できなかった責任を認め、改めて衷心よりお詫び申し上げます」と述べ、「被害者を迅速に、かつ、あたう限りすべて救済いたします」と誓った。この日から、水俣病被害者救済法に基づく3万人超の未認定患者を対象とした申請手続きが開始された。10年1月、熊本地裁が原告の未認定患者と被告である国、熊本県、チッソに対して和解勧告を行い、3月末に和解が成立。一時金210万円と療養手当、医療費の自己負担分が支給されることとなった。4月、政府は未認定患者を救済するための「救済措置の方針」の閣議決定を行い、一時金210万円と療養手当、最大で月額1万7700円を支給することを決めた。6月、国立水俣病総合研究センターは、従来チッソが原因物質のメチル水銀のタレ流しを止めた1968年以降は、水俣病は発生していないとしてきたが、74年生まれの人のへその緒からも高濃度のメチル水銀が検出されたと発表。2010月、新潟水俣病の原告の未認定患者と被告の国、昭和電工は、新潟地裁で和解の基本的合意に至った。合意内容は、3月末に熊本地裁で成立した内容と同じ。なお、今回の合意した被害者以外にも、救済されていない新潟水俣病の未認定患者は約1000人いると推定されている。12月、原因企業チッソの事業再編成、分社化が環境省から認可された。