厚生労働省は、2010年9月、自分はたばこを吸わないのに、近くの人が吸うたばこの煙が原因で死亡する人が、年間6800人いると受動喫煙の被害実態を発表した。被害の過半数は、職場での受動喫煙によるもの。同年11月、世界保健機関(WHO)の研究グループは、世界で受動喫煙が原因で死亡する人は年間60万3000人いると発表した。うち、14歳以下が、16万6000人(27.5%)で、被害の4割が家庭での受動喫煙によるもの。政府は、受動喫煙対策として労働安全衛生法を改正することを検討している。アメリカでは、喫煙により毎年約44万人死亡しているといわれ、食品医薬品局(FDA)は、11月、たばこの外包に喫煙による健康被害を警告する表示をするよう義務付けた。警告文には「喫煙で死ぬことがあります」「たばこは子どもの健康を害する恐れがあります」などの強烈な印象の文章の採用が計画され、さらにショッキングな図柄を加えて、12年9月からの実施を予定している。