高利回りをうたい文句に黒毛和牛の繁殖牛オーナーを募り、生まれた子牛を買い取るという「和牛預託商法」を行っていた安愚楽牧場(本社:栃木県那須塩原市)が、大震災による福島第一原発事故の影響でオーナーからの解約申し出が多数寄せられたこと、また牛肉の価格が急落し経営環境が悪化したとして、2011年8月、東京地裁に民事再生法の適用を申請、財産保全命令を受けた。同社によると、オーナーは47都道府県に約7万1000人おり、投資総額約4200億円、負債額619億8700万円。東京地裁は、11月、同社の経営状況を鑑み、民事再生を断念し破産手続きに変更した。消費者庁の調査によると、繁殖牛は計算上9万7986頭いるはずが、実際には67%の6万5572頭しか飼育されておらず、同社の広告に虚偽記載があったとして、景品表示法に基づき措置命令を出した。