2012年8月、消費者教育推進法が成立、体系化された消費者教育を推進することにより、消費者が主体的に「消費者市民社会」の形成に参画する社会作りが始まった。消費者市民社会とは、個人が消費者・生活者として、社会問題や世界情勢などを考慮することによって、社会の発展と改善に積極的に参加する社会を指す。2008年版「国民生活白書」に明記された概念。推進法では、現在、消費者と事業者との間で情報の量及び質、交渉力などの格差があり、消費者の自立を支援するためには、消費者教育が不可欠とされている。消費者市民社会において、消費者は、(1)個々の消費者の特性及び消費生活の多様性の相互尊重、(2)自らの消費生活に関する行動が将来にわたって内外の社会経済情勢及び地球環境に影響を及ぼし得ることの自覚、(3)公正かつ持続可能な社会の形成に積極的に参画すること、が求められている。消費者教育は、幼児期から高齢期まで学校、地域、家庭、職域において効果的に推進され、消費者庁に「消費者教育推進会議」を設置、国及び地方公共団体において学校、大学、地域における消費者教育の推進が図られることとなった。