ブラインドやスクリーンなどのひもの巻き付きによる、乳幼児の窒息事故が発生していることから、2013年10月より、東京都商品等安全対策協議会は「ブラインド等のひもの安全対策」を検討。14年2月、同種事故の未然防止策を図るため、消費者への注意喚起と関係業界団体に安全対策の実施を求めるなどの報告書を提出した。経済産業省はこれを受けて、日本工業規格(JIS)の導入を検討することになった。国内でのブラインド等のひもによる事故は、07~13年の7年間に6カ月の男児の首にブラインドのひもが巻き付いて死亡した事故が1件、救急搬送された事故が4件、受診はしなかったが首に擦過傷を負った事故が1件、首にロープの痕がついた事故が1件の計7件が起きている。いずれも6カ月から6歳の乳幼児であり、さらに東京都が13年8月に実施した「乳幼児のやけどの危険(ヒヤリ・ハット)に関するアンケート」(回答数3000件)では、ブラインド等のひもによるヒヤリ・ハット事故を経験した事例が100件報告されている。海外でも死亡事故が多数発生しており、欧米をはじめ各国ではすでに対策がとられ、安全基準が設けられている。アメリカでは、1985~2012年に同様の死亡事故が324件、受傷事故が122件発生し、ブラインド等のひもの安全基準がカナダと共通で定められている(カナダの実情に合わせて一部修正)。EUやオーストラリア、韓国でも同様に安全基準が定められている。なお、同様の事故を起こす可能性があるため、7歳未満の子どもが着用する服には、襟首部分のひもを禁止するJIS規格の策定作業が現在進められている。