面識のない不特定の人に対し、電話などの通信手段を用いて、預金口座に振り込みをさせたり、現金等をだまし取ったりする詐欺の総称。次の8つのタイプがある。(1)オレオレ詐欺、(2)架空請求詐欺、(3)融資保証金詐欺、(4)還付金等詐欺、(5)金融商品等取引名目の詐欺、(6)ギャンブル必勝法情報提供名目の詐欺、(7)異性との交際あっせん名目の詐欺、(8)その他の特殊詐欺。警察庁は、2013年の特殊詐欺の被害総額が過去最悪の約486億9000万円に達し、1件当たりの被害額が437万円にも及んでいると公表した。最も被害額が高いのが、「金融商品等取引名目の詐欺」の約176億7000万円で、1件当たりの被害額が996万円。実際には、対価ほどの価値がない未公開株や社債等の有価証券または、架空の有価証券等についてダイレクトメール等で虚偽の情報を提供し、その購入代金をだまし取るという詐欺で、高齢者が被害にあうケースが多い。次いで高いのが、「オレオレ詐欺」で170億7000万円、1件当たりの被害額は361万円。親族や警察官、弁護士等を装って親に電話をかけ、会社の横領金の補てんや借金の返済等の名目で金銭をだまし取る詐欺で、やはり高齢の親が被害にあっている。金融機関などの未然防止対策の展開により一時減少したが、最近は直接現金を受け取る「手渡し」型の被害が急増している。警視庁は、被害実態に合わせて名称をオレオレ詐欺から「お母さん助けて詐欺」に変更するなど、被害の未然防止に取り組んでいるが、次々と新手の方法が登場し、以前にも増して高額な金額をだまし取られる被害が増えている。