最高裁判所は、2013年1月、厚生労働省が薬事法で一般用医薬品のネット販売を禁止しているのは、「薬事法の範囲を逸脱しており、無効」との判断を下した。これを受けて、厚生労働省は、同年11月、医療用医薬品から一般用医薬品に移行した23品目については3年間ネット販売を認めない、劇薬指定の5品目についてもネット販売を認めないが、一般用医薬品約1万1400品目の99.8%に当たる品目についてはネット販売を認める、というルールを発表した。医薬品のネット販売は、過疎地や離島に住む人たちや高齢でなかなか薬局に行くことが難しい人たちにとっては朗報だが、一方、日本はスモン、サリドマイド、クロロキンなどの薬害を繰り返し経験してきており、また、製薬会社の試験データの改ざん事件もたびたび起きており、医薬品の安全確保は消費者にとって最重要の課題になっているのも事実である。万一、薬害にあった場合、適切かつ迅速に救済されるセーフティーネット作りが必要である。