2016年5月、消費者庁は「平成28年版消費者白書」を公表した。消費生活相談の特徴としては、スマートフォンに関連した相談件数の急増と、ますます深刻化する高齢者の消費者被害がある。スマートフォン関連の相談は約9万件と全体の約1割を占め、前年度比1.3倍の過去最高となった。高齢者の消費者被害は、生活の困窮や認知力の低下などの問題を含んでいるため、高齢者個人や家族だけでは解決しにくい。また、騙されていることに気が付かない、気が付いても言い出せない高齢者も多く、本人から消費生活センターに相談を寄せることは少ない。被害を未然に防ぐ対策としては、16年4月に施行の改正消費者安全法に基づき「消費者安全確保地域協議会」(見守りネットワーク)を構築、福祉関係機関や警察、地方消費者行政など、地域で広く連携して見守りを実施していく。