ある集団に対する課税を考える場合、集団そのものに課税するのか、集団の構成員に課税するのかという議論がある。集団に対する課税を事業体課税、構成員に対する課税を構成員課税という。現行は、集団が法人であれば法人税を、組合であればその組合員に所得税または法人税を課す。しかし、組合であっても法人である株式会社などとほぼ同様の運営をしている場合がある。さらに、法人であっても剰余金を分配しないもの、法人格は形式的で事業運営の道具(ビークル)にすぎないもの、信託という形態で事業運営をしている場合など様々な集団が存在している。事業体課税の議論は、事業形態の選択に中立的な税制を構築することにある。2016年12月の税制改正大綱では、小規模企業等に係る税制のあり方については、個人事業主、同族会社、給与所得者の課税のバランス等にも配慮しつつ、個人と法人成り企業に対する課税のバランスを図るための外国の制度も参考に、今後の個人所得課税改革において所得の種類に応じた控除と人的な事情に配慮した控除の役割分担を見直すことを含め、所得税・法人税を通じて総合的に検討するとしている。。17年12月の税制改正大綱では、小規模企業等に係る税制のあり方について検討するとしている。