合併等対価の柔軟化とは、例えば吸収合併で、合併法人が被合併法人の資産や負債を受け入れる見返りに、被合併法人の株主に交付する対価を合併法人の株式に限定せず、現金を含め他の財産の交付を認めること。この規定は、外国企業の日本法人への買収手法として用いられる恐れがあることから、これに対応する準備措置を整えるため、会社法の施行日より1年後の2007年5月1日から実施されている。しかし、会社法で良いルールを作っても税金の負担が大きい場合は、利用されない。そこで、07年の税制改正では、(1)被合併法人の資産、負債の受け入れ(被合併法人にとっては譲渡)については、対価として、親会社株式だけを交付した場合も適格要件に含めた。(2)親会社株式だけを受け取った被合併法人の株主には、消滅した被合併法人の株式の譲渡損益を繰り延べることとした。(3)合併法人が適格合併により親会社から取得した親会社株式を交付した場合は、その譲渡損益を計上しない、などとした。分割、株式交換の場合も同様。