信託法の改正により、より柔軟な活用が可能になった。例えば、信託設定時の債務の引き受けが可能な事業信託を設定することができる。これにより債務を含む事業の全体の信託ができるので、信託をジョイント・ベンチャーなどへの活用ができる。また、受託者は原則として信託財産だけではなく、受託者の固有財産を含めて信託財産にかかる債務を弁済しなければならない。しかし、信託財産に属する財産のみをもってその履行の責任を負う限定責任信託によることができる。さらに、信託の利用を促進する観点から受益権発行信託により証券化が可能。信託税制は、新しい信託に対する税法における概念の整理をしている。もう一つは、柔軟に活用できる信託を利用した税負担の軽減への牽制措置を設けている。例えば法人税では、(1)土地信託の場合の利益の発生時での受益者課税、(2)証券投資信託の場合の受益者の受領時の受領金額への課税、(3)信託ファンドへの法人税の課税の3タイプがあるが、(2)を利用して課税を遅らせる行為に対しては、(3)で課税する規定などを設けている。