所得税の負担割合が、サラリーマンは9(ク)、自営業者は6(ロ)、農業所得者は4(ヨン)となっており、不公平が生じていることを示す俗語。トー(10)、ゴー(5)、サン(3)も同様の意味。負担割合の問題は、2つの観点から考えるべきである。1つは、自営業者、農業所得者の申告方法。収入や必要経費を自ら計算して確定申告するので、これらをごまかすという疑惑だ。申告内容は、税務調査でチェックする。だが、税務署員の人数が限られているので、不十分な状況にあることも確か。必要経費なのか、個人が消費した家事関連費なのか、が微妙なケースが多いことも実務を混乱させている。2つ目は、自営業者と農業所得者の生産性の問題。生産性の高い自営業者は、法人形態に変更しており、法人化できない零細業者が個人事業で営んでいることが多い。また、農業は一般的には生産性が低い。つまり、低い生産性が所得税の負担割合を引き下げているという事実もある。しかし一方、専門的知識を活用して高収入を得ている人もいる。申告漏れも後を絶たない。例えば、2016事務年度(16年7月から17年6月まで)では、64万7000件(うち特別・一般調査4万9000件、着眼調査2万1000件、簡易な接触57万7000件)のうち、申告漏れなどが40万件(約62%)あり、追徴した所得税は本税と加算税を合わせて1112億円であった。