相続または遺贈により財産を取得した人にかける税金のこと。相続人が被相続人から取得した財産の評価額から、相続税の基礎控除額を控除した金額に課税する。土地高騰が激しかったバブル時には相続税の負担の重さが問題になった。そこで、基礎控除額は、1994年以降は、5000万円に相続人1人につき1000万円を加えた金額としている。しかし、地価公示価格(全国・全用途)は、最高であった91年の199.3の指数に対し、2010年は89.8の指数まで下落している(下落割合は約45%)。そこで、11年度の税制改正では、基礎控除額を現行の60%に引き下げるなどの改正案を提案したが成立しなかった。12年度でも消費税の税率アップを定める社会保障の安定財源確保法案の中で提案をした。しかし、相続税と所得税の改正案は当時の政権与党である民主党と野党の自由民主党、公明党が協議して13年3月までに必要な法制上の措置を講じるとされた。13年度において上記の協議に基づき改正した。具体的には、基礎控除額は、定額控除額の5000万円を3000万円に、法定相続人比例控除は、法定相続人1人当たり1000万円を600万円に引き下げた。相続税の税率は、改正前の6段階から8段階に拡大した。最高税率は改正前3億円超の金額に対する50%を6億円超の金額に対する55%とした。改正後の規定は、15年1月1日以後に相続または遺贈により取得する財産に係る相続税について適用する。申告期限は、死亡を知った日の翌日から10カ月以内で、死亡した被相続人の住所地の税務署で申告手続きを行う。