2011年度の税制改正で、個々の税法で断片的に定めていた税務調査手続を、国税通則法で統一した。法人税の場合で考えると、税務調査における質問検査権は改正前の法人税法で規定していた。しかし、その始め方や終わり方についての具体的な規定はなく、運用は調査する税務職員に委ねていた。改正後は、税務調査をする場合は、あらかじめ納税義務者や税務代理人に実地の調査を開始する日時、場所、目的、税目、課税期間、調査の対象となる帳簿書類などを書面により通知することを原則とした。調査を終了する場合は、申告が正しかった場合はその旨を書面により通知する。誤っている場合は、誤っている金額、理由を説明する。調査が終了すると、新たに得られた情報がない限り再調査をすることはできない。この点について2015年度の税制改正で、再調査の前提となる前回調査の範囲を実地の調査に限ることとした。前回調査が実地の調査以外の調査である場合には、新たに得られた情報がない場合であっても再調査を行うことができることとした。再調査の前提となる前回調査が15年4月1日以後に開始され、その前回調査後に行う再調査について適用する。