安倍内閣は、発足以来、デフレ脱却と経済の再生を重要な課題として取り組んでいる。その中で、失業率が低下するなど雇用環境は大きく改善している。しかし、個人消費や設備投資は低迷している。そこで、2017年度の税制改正においても引き続き経済の好循環を促す取り組みを進める。具体的には、イノベーションを推進するための研究開発税制、所得拡大促進税制、組織再編税制などの見直しを行う。また、日本は少子高齢社会が進行する中で働き手が不足しつつあり、今後もその傾向がより強くなることから、「働き方改革」が必要であるとして、配偶者控除、配偶者特別控除を見直す。地方再生、中小企業、国際課税、災害が生じた場合の税制なども重点改正項目とされている。酒税については、その税率差が販売価格に影響し、この点を意識した商品開発が行われてきた。しかし、その適用を巡ってトラブルが発生していることから、約10年程度をかけて税率を統一する方向で改正する。