日本は、毎月どこかで地震が起きている世界有数の地震大国である。最近発生した大きな地震としては、1995年の阪神・淡路大震災、2011年の東日本大震災、16年の熊本地震がある。地震によりマイホームが崩壊し住宅ローンだけが残ったり、会社の資料が津波により散逸したことにより法人税の申告ができなかったなど異常な事態が発生する。また、気候変動による温暖化現象により台風や暴風雨による被害も増加している。このような場合には、税は減免措置を講じるが、これまでは災害が発生する度に税法を改正しないで運用で対応したり、個別立法をして対応してきた。しかし、近年は災害が頻発していることから、17年度の税制改正で、災害への税制上の対応の規定を常設化した。対象となる税目は、所得税、法人税、相続税、消費税など多数の税目に及ぶ。地方税も同様の措置を講じている。