加入した期間や給付水準に基づいてあらかじめ給付額が定められているのが確定給付年金であるのに対し、拠出した掛け金額とその運用収益によって給付額が決定される年金のことをいう。加入者にとっては運用のリスクというデメリットがある一方、途中で転職しても、自分の年金原資を転職先に持って行くことができる(ポータビリティー)という点でメリットもある。アメリカでは、優遇税制を用意し、確定拠出年金は401kプランとして普及している。日本では、確定拠出年金は、2001年に成立した確定拠出年金法により普及し始めた。企業拠出のみの企業型と加入者拠出の個人型がある。企業年金の有無によって拠出限度額は異なる。アメリカの401k制度になぞらえて、日本版401kプランと呼ばれることもある。厚生労働省は、企業型の確定拠出年金における事業主拠出に加え、加入者の掛金、いわゆるマッチング拠出を認める法案(「国民年金法等一部改正案」)を09年の通常国会に提出したが、同年7月に廃案になった。11年8月、「年金確保支援法」が成立し、マッチング拠出制度の導入が決定、12年1月より施行された。なお、マッチング拠出の限度(拠出限度額)は、14年10月より月額5万1000円から5万5000円(他の企業年金等を実施している場合は2万5500円から2万7500円)に引き上げられた。