厚生年金・国民年金の年金支給開始年齢は現在、65歳である。厚生年金は1942年に発足した際には55歳が支給開始年齢であったが、54年には60歳に定められた(男性のみ)。自営業などが想定された国民年金は、61年に発足以来65歳である。その後の寿命の伸張にあわせて、94年改革の際に、厚生年金の支給開始年齢は65歳となったが、定年と年金支給の間に空白が発生しないように、年金の支給開始年齢は徐々に引き上げられており、実際には男性は2025年、女性は2030年から65歳支給となる。この一方で、欧米のいくつかの国では、すでに67歳以降に支給開始年齢が引き上げられることが決定しており、先進国でも最も寿命が長い国の日本でも68歳まで支給開始年齢を引き上げるべきという議論がある。しかし、厚生労働省は、支給開始年齢の引き上げは当面の目標とは考えていないとしている。