授業が成立しないなど、学級集団としての所期の機能が一定期間遂行されなくなっている状況。1990年代半ばよりマスメディアや現場の教員から学級崩壊という現象の存在が指摘される。2000年3月、旧文部省から委嘱を受けた学級経営研究会が事例調査を実施して最終報告書を作成。「学級」を、新たに創造すべき生活・学習集団と捉え直し、10のケース類型ごとに事例紹介と考察を整理。五つの回復事例を取り上げ、回復へのヒントを六つの視点で提示した。国立教育政策研究所の研究者らによる全国小学校校長・教員調査(01年)は、校長の26.0%、教員の32.4%が勤務校での学級崩壊を認識していると指摘。特に低学年の学級崩壊については、学級が十分に形成されていない状態(小1プロブレム)として大阪府内の自治体などで研究の蓄積がある。学びと暮らしと遊びの機能が十全でないことが背景にある。(1)就学前教育と小学校教育の段差解消策、(2)低学年の学級人数減によるきめ細かなかかわり、(3)複数担任制の実施、などの対応が試みられている。