共働きなどの事情により昼間に保護者が不在の児童に小学校の余裕教室や児童館などを開放し、放課後に適切な遊びや生活の場を与えて健全育成を図るために設けられた施設。戦前に起源をもつ学童保育は1960年代に共同保育の形で発展し、98年の児童福祉法改正により、厚生労働省所管の放課後児童健全育成事業の通称となった。2014年5月現在、全国の設置率(公立小学校数に対する学童保育数の比率)は106.0%に及び、設置数は前年と比べて461カ所増の2万2096カ所に上る(全国学童保育連絡協議会)。他方、留守家庭に対象を限らず小学生の全学年に学校を開放する全児童対象事業が政令指定都市を中心に拡大される傾向にある。単に安上がりの事業にならないよう学童保育との関係を慎重かつ適切に吟味し、よりよい子育て環境を整備することが求められる。また、学童保育がない地域も依然として多く、保育環境の地域格差も課題である。15年4月から、待機児童の増加をふまえて利用対象を「小学校3年生程度まで」から「小学校6年生まで」に拡大した。