インターネット上で行われるいじめ。ウェブサイト(学校裏サイトなど)の掲示板や携帯電話のプロフ等で特定の人物を中傷する書き込みを行ったり、個人情報をばらまいたりすることで行われる。「なりすましメール」も典型例のひとつである。相手が見えないことから、いじめが陰湿化しやすい。2004年6月に長崎県佐世保市で、ネット上の書き込みが原因で小学6年の女児が同級生の女児にナイフで切りつけ死亡させた事件以後、社会問題として取り上げられるようになった。ネットいじめは本人の知らないところで行われるため、早期に発見することが難しいとされる。文部科学省が把握した07年度中に発生したネットいじめは5899件に及び、前年度よりも21%増加した。近年ではLINE(ライン)などのSNS(ソーシャルネットワークサービス)を通じたいじめも問題視されている。各自治体でも取り組みがなされているが、携帯電話のフィルタリングをはじめとした有害サイトの規制だけでなく、子どものネット使用の見守り指導、教師や保護者への啓発など、多面的な対応が必要とされている。