健康な日常生活に支障をきたすほどにインターネットに過剰依存した状態。インターネットの使用中止や縮小にともなって不安や動揺などの禁断症状が現れる。当初意図したよりもインターネットに長時間アクセスしたり、インターネットの使用によって家族、社会、職業、余暇などの諸活動にあてる時間や頻度が減少したりする。スマートフォンやタブレット端末のハード面での普及・充実のみならず、オンラインゲームやSNSの利用者数の急増によって、ネット依存はますます社会的に深刻な問題となっているとみなされている。13年8月、厚生労働省の研究班は、10万人を対象とした実態調査を通して、ネット依存の中高生が全国で51万8000人に上ると推計した。また、総務省情報通信政策研究所等の共同研究による調査(2013年2月)は、ネット依存傾向の高い者の割合が、小学生2.3%、中学生7.6%、高校生9.2%、大学生6.1%、社会人6.2%に達すると報告している。ただし、ネット依存の正確な診断が、単純な質問への回答によって可能かどうかはいまだに不明確な面もある。また、治療を要するネット依存と統計上のネット依存傾向とを区別する必要性も認識すべきである。