ブラック企業になぞらえて、アルバイトの劣悪な労働環境を表現した言葉。労働法規に明るくない学生・生徒などのアルバイト従事者を搾取する状況を指す。具体的には、残業代など支払うべき賃金を支払わないこと、当然与えられるべき休憩時間などを提供しないこと、違法な長時間労働をさせること、契約内容と異なる業務に従事させること、試験期間など学生・生徒の事情を勘案しないこと、販売などにノルマを課すことなど、さまざまな違法な扱いを含んでいる。ブラックアルバイト増加の背景には、安上がりの賃金によって利益を上げるために非正規雇用の割合を大きくしようとする、雇用者側の経営方針のゆがみがある。アルバイト従事者の側の要因としては、学費の高騰や奨学金政策の不十分さに伴って、社会的に弱い立場に立たされていることがある。ブラックアルバイトであっても簡単には辞められないからこそ劣悪な条件を受け入れざるを得ない状況がある。企業に対しては法令順守を徹底することが求められるとともに、奨学金政策の充実などによって学生・生徒の置かれた現在の社会状況を改善することも不可欠である。