1960年代以降、地方自治体は、開発指導要綱などで開発を抑制してきたが、80年代になると、これに対して開発事業者や裁判所から批判的な対応が相次ぎ、要綱行政の限界が明らかになった。そこで、地方自治体は、指導の根拠をより強化するために、まちづくり条例を制定するようになった。条例とは、地方自治体が、地域で起きている様々な開発や環境問題に関して、国の法制度だけでは不十分である場合に、法律の範囲内で、地域の特性に合わせ、独自に制定できるものであり、自治体の議決により制定されるものである。80年代後半以降、無秩序な開発の規制、土地利用の調整、生活環境・自然環境の保全、良好な景観の形成、住民参加の仕組みづくり等を目指した様々なタイプのまちづくり条例を制定する自治体が増えている。