2005年、日本の総人口(国勢調査による)は、統計史上初の自然減少に転じ、いよいよ人口減少社会が幕開けした。日本の人口減少、特に生産年齢人口(15~64歳)の減少は、世界的にも例のないスピードで進んでいることから、経済に対する影響と福祉、年金、財政等、様々な問題に早急に対処すべき状況である。07年5月に国立社会保障・人口問題研究所が発表した「日本の都道府県別将来推計人口」によれば、全国人口に占める南関東ブロック(埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県)のシェアは今後も緩やかに上昇を続け、35年には29.8%に達する。一方で、その他の地域ブロックの占める割合は横ばいないしは減少となると予測されていることから、人口の自然減に加え、人口移動により、大都市に人口集中が進み、地方ほど人口減少が深刻化すると考えられる。特に、国土交通省・総務省の共同調査による「国土形成計画策定のための集落の状況に関する現況把握調査最終報告」によれば、人口減少や高齢化で65歳以上の住民が半数を超え、その存続が危ぶまれている過疎地の集落「限界集落」が全国に7878、消滅の恐れがあるのは2643あることが明らかになるなど、本格的な人口減少社会に対応した地域構造の再構築や魅力ある地域づくりが大きな課題となっている。