地区の住民・事業者・関係権利者等が構成員となり、地区のまちづくりの課題に取り組むことを目的とした組織のこと。自治会や町内会との関係、組織形態、自治体条例上の位置づけなどの違いから、多様なタイプが存在している。例えば、住民等が中心となって、まちづくりを行うための手続きを1981年に条例化した神戸市では、条例上のまちづくり協議会を「地区住民の大多数により設置され」、「その活動が地区の住民等の大多数の支援を得ているものと認められるもの」としている。95年に発生した阪神・淡路大震災の復興では、多くの地域でまちづくり協議会が復興まちづくりに重要な役割を果たした。近年、地区のさまざまな立場の人たちがかかわるまちづくり協議会の活動の場では、ワークショップという住民参加の手法がよく用いられている。ワークショップは、通常の会議や説明会とは異なり、参加者が共にアイデアを出し合ったり、現場を見たりするなどの協働作業を通じて、お互いの考えや立場の違いを学び合いながら、意見や提案などをまとめる場のことである。通常、ワークショップでは、合意形成や相互理解に向けて深い議論がなされるよう、中立的な立場で調整するファシリテーター(facilitator)と呼ばれる人が進行役を務める。