国土総合開発法の抜本的な改正に伴って、2005年に成立した法律。この法に基づく国土形成計画は、日本全国の区域について定める全国計画と、ブロック単位の地方ごとに定める広域地方計画から構成される。広域地方計画は、首都圏、近畿圏、中部圏その他二つ以上の都府県の区域において定められる。新しい国土像実現のための戦略的目標として、(1)東アジアとの円滑な交流・連携、(2)持続可能な地域の形成、(3)災害に強いしなやかな国土の形成、 (4)美しい国土の管理と継承、の四つが掲げられている。この法の前身である国土総合開発法は1950年に制定され、これに基づき全国総合開発計画(全総)と特定地域総合開発計画が策定された。最初の全総は62年に閣議決定され、順次、新全総、三全総、四全総が策定され、最後の計画が98年に成立した「21世紀の国土のグランドデザイン」であった。最初の全総の具体的推進方策として、新産業都市建設促進法や工業整備特別地域整備促進法が制定された。一連の全総は、新幹線と高速自動車道路による交通の国土的な骨格を構築するなど、経済発展を遂げた日本の国土基盤の形成を牽引(けんいん)したが、大都市と地方、都市部と農村部との格差をもたらす結果ともなった。特定地域総合開発計画は、只見特定地域総合開発計画など全国の21地域で策定され、治山、治水、利水の河川総合開発が展開された。よく似た名前の法律に74年に制定された国土利用計画法がある。これは土地利用および土地取引の規制法であり、国土像の形成にあたって国土形成計画法と両輪をなすものと位置づけられている。