空港を建設、整備するための財源を拠出するための旧空港整備特別会計が、特別会計改革により2008年度から現勘定となったもの。空港使用料、航空機燃料税などとして航空会社を通じて空港利用者から徴収されたものに、一般財源などが加えられる。その規模は09年度で約5300億円に上る。高度成長期において、全国に空港を設置する上で大きな役割を果たした。その段階では、航空を利用する人々は一部の富裕層であり、その利便を図るための空港整備は利用者負担の原則で行われるべきであるとされたが、現在では航空の利用は一般的になっており、こうした考え方は見直しを迫られている。また、地方空港の中には、利用者数の低迷などから存在意義が問われる空港が生じているため、この勘定自体の見直しも求められている。日本の航空会社の国際競争力の低下の要因の一つとして、当勘定の大きな財源となっている空港使用料と航空機燃料税が挙げられる。現在、激しい競争下にある国際航空市場で、こうした負担が不当に日本の航空会社の競争力をそいでいるとの批判がある。また、この勘定があるがために、需要とは無関係に建設され運営困難に陥っている空港まで存続しているので、本当に必要な空港を残していくためにも、本制度を見直さなければならないという見方も強い。