一定の搭乗率(搭乗可能な利用客数に対する実際の利用客の割合)に達すれば、航空会社が空港のある地元に利益を還元する制度。反対に目標の搭乗率に至らなければ、地元自治体が損失補てんとして航空会社に一定の金額を拠出する。2003年7月に開港した石川県の能登空港が始めたもので、全国の地方空港に大きな刺激を与えた。能登空港では、地元自治体からの損失補てん額、航空会社側からの還元額とも2億円を限度とした。当初、搭乗率70%のラインが設定されていたが、その後、機材の変更などもあり、そのレベルは下がってきている。またその後、地元、航空会社とも支払い義務を免れる「特別枠」が設けられ、10年2月現在の搭乗率はその枠内にある。一方、09年6月に開港した静岡空港(富士山静岡空港)は、日本航空と搭乗率保証の契約を結んだが、その目標は達成されず、自治体からの支払いが生じる初のケースとなった。多くの利用客数が想定できない空港への路線開設を航空会社に働きかけると同時に、積極的な観光客の誘致などの努力を地元自治体に課すこうした取り組みは、当初は非常に独創的なものとして評価された。しかしながら、模倣者が増えてくると、その効果が薄れてくるのも否めないだろう。今後は、搭乗率保証に代わる、より独創的な仕組みが求められる。