日米間で2009年12月に締結された、航空自由化協定(オープンスカイ協定)。日本にとっては初となる本格的な航空自由化協定で、従来の二国間協定の枠組みを離れ、新規参入を含めた相互の航空会社の乗り入れなどが、すべての航空会社を対象に自由化される。従来の日米間の航空協定は、日本にとっては不平等条約と位置付けられてきた。アメリカ側には、相手国から第三国へ運航できる以遠権がほぼ無制限に与えられているにもかかわらず、日本側にはメキシコとブラジルへの以遠権が与えられているに過ぎない。また、成田空港(成田国際空港)の発着枠も、本来なら日本の航空会社にその半分が与えられるのが国際通念上正当と見なされるが、現状は日本の航空会社が3割、アメリカの航空会社が3割、残りをその他の航空会社が占めている。今回の交渉では、成田空港でのアメリカの航空会社の占有率を引き下げていくことで合意された。また、今回の合意は、航空会社が独占禁止法適用除外(ATI anti trust immunity)を申請し、それが双方の国の司法機関によって認可されれば、ダイヤの調整や運賃政策で協調できるなど、日米の航空会社の協力関係をさらに深化させることを可能にする。ただし、実際にどのようなATIが認められるかどうかは明確ではない。