人口の減少や高齢化率の上昇などにより、生活の維持が困難となっている農山漁村の集落の総称。今後の全国的な人口減少の趨勢(すうせい)をうけて、将来的には大幅に限界集落が増加すると見られている。集落で生活を維持するためには、医療福祉、教育、物品購入、娯楽などが必要となる。医療福祉や教育については、行政がある程度の対策を講じることが可能だが、物品購入などについては必ずしも行政レベルで対策ができるとは限らない。また、積雪地域においては、冬季の除雪が大きな負担となるが、行政による除雪作業は原則的に公道以外では実施されないために、高齢者が多い集落では積雪時には外出自体が困難となるケースもある。また、農山村では慣行として集落単位で森林や河川の管理が行われており、結果的にこのことが下流域の都市の河川の水量や水質の安定化に大きな役割を果たしているが、集落の機能が低下することにより、このことにも支障をきたすようになることが懸念されている。限界集落の対策として、道路管理などの空間管理に加えて、生活支援や集落活性化対策などが講ぜられることも多いが、一方で集落の統廃合なども議論の俎上(そじょう)に上ることも少なくない。