韓国の釜山港やシンガポールなど、周辺アジア地域の港湾の発展に対抗するための物流政策として2010年に国土交通省が全国の港湾に対して公募したもの。阪神港(神戸港、大阪港)、京浜港(東京港、川崎港、横浜港)が採択された。釜山港やシンガポールなどは、施設の規模の拡大とサービス水準の向上、そして各種コストを低減させることによって、寄港する船舶の数を増加させている。反面、こうした取り組みで出遅れた感のある日本の港湾では、釜山港やシンガポールに寄港する船舶を奪われてきている。こうした状況が今後も進んでいくと、日本は基幹となる航路から外れてしまい、物流に要する時間もコストも増大し、産業競争力が低下し、国民生活の水準を押し下げることになってしまう。このような危機感から、万遍なく港湾の競争力の向上を図るのではなく、育成・助成する港湾を絞り込み、そこに資本を集中的に投下することで、早急に国際競争力の回復、強化を図ろうとするものである。すでにこうした取り組みは、2004年度から「スーパー中枢港湾政策」として実施されてきており、05年には港湾法を改正、京浜港、伊勢湾、阪神港にスーパー中枢港湾としての法的位置づけを付与したが、なかなか実績が伴わないために、今回新たに「国際コンテナ戦略港湾」として位置づけなおすこととなった。今回の公募には伊勢湾と北部九州港湾も応募したものの落選した。