「格安航空会社」と一般的に訳される。低運賃を提供する航空会社というイメージが強いが、本来はコストを削減し、サービスを利用者からの要望に応えて選択的に提供することで競争力を高めている航空会社を意味する。アメリカでは1990年代から市場を席巻したサウスウエスト航空が有名である。ヨーロッパでは、93年の航空自由化政策を受け、97年ごろから、ライアンエアー、イージージェットが台頭し、国際線の輸送実績でトップを争うまでになっている。アジアでも、近年、LCCの活躍が目立つ。特に、マレーシアを拠点とするエアアジア、オーストラリアのカンタス航空を親会社とするジェットスターの活躍は目覚ましい。エアアジアは全日空と、ジェットスターは日本航空と組んで、いずれも成田空港をベースに、2012年夏に日本の国内線の運航を開始した。また、全日空は独自に「Peach(ピーチ)」というLCCを立ち上げ、関西空港を中心に、12年3月に運航を開始した。このように、12年は、日本でも本格的にLCCが活動を開始したことから、LCC元年と位置づけられる。しかし、その後、ピーチが好調を維持する一方、エアアジアは13年6月に全日空との関係を解消、ジェットスター・ジャパンも苦戦を強いられており、日本におけるLCCのあり方が問われている。